香りの分析　～fragrance analysis ～

フランスのオートクチュールハウス、エマニュエル・ウンガロより1982年に発売された「ディバ」は、現在シャネルの専属調香師として名高いジャック・ポルシュが調香した、現代においてもなお生き生きとした表情を見せる香り。

「ディバ」（女神）という名がつけられたこの香りは、ウンガロのシンボルであるバラの花を中心にした花の香りが強調されたシプレ調の香りで、エマニュエル・ウンガロ自身が「女性のために」選んだ香り。シプレ調の香りには珍しいフラワリーな香り立ちの華々しさがこの香りをゴージャスに仕立てている。

ベルガモットの噴き出しに、オリスとアルデヒドのパウダリーな香りとローズ調に香るローズウッドという樹木の香料を合わせることで、トップノートからローズの香りが華やかに香リだし、ハートノートの、より一層華やかに香るロサ・ダマスクスとバラらしいふくよかな香りロサ・センチフォーリアの香りに引き継がれ、華々しいローズの香りを堪能させる。そしてチュベローズとジャスミンでまったりとした花の香りと、イランイラン、カーネーションで少しスパイスのアクセントを加えて、より一層ゴージャスなフラワーノートに酔いしれる香りになる。ドライダウンにかけてパウダリーなイリスとともに香るサンダルウッド、ベチバーでマットな香りに落ち着きつつ、パチュリ、オークモスなどのグリーン調のシプレノートで構成された味わい深いベースノートへ変容する様は、最初から最後までゴージャスな印象深い香り。

細かいプリーツの入った白いドレスの胸元の大胆なカッティングとその合わせを描いたボトルデザインが、この香りを象徴するウンガロの「女神」像。非常にセンシティブでゴージャスなこの香りは、秋冬シーズンの装いに、日常にドラマティックな香りを付け足したい貴女にお勧めの逸品です。